どういうわけか松浦理英子ときくと有吉京子を思い出してしまうので、先日読んだ「アプローズ―喝采 Akita comics elegance」のことを。何気なく文庫1、2巻を買ったんですが、以前はそこで完結してたはずがどうも続きがあるらしい(文庫4巻で完結)、どうも数年後(完結までだいたい15年かかっている)に媒体を変えて発表したようで、2か月待って最終巻まで読みましたよ、ええ。
続編を読んでわかったのは、最初は「少女の友情譚」だったのが、はっきりと「少女(成人したので女性か)同士の恋愛譚」になっている点です。まぁ読んでいる側からは「やっぱりね」って感じですが。でも男同士の「ニジンスキー寓話」はよくて(「ぶ〜け」に連載、明らかにベジャールがモデルのキャラが出てきてた記憶が)、女同士の「アプローズ」だと10年以上かかるのか〜と驚きです。
作者渾身の、という3巻4巻なんですが、その間にやまじえびねやで「ふつーのビアン」を読んじゃってたので、「ああこんな浮世離れした設定...」と少々まごついてしまいました。画も有吉京子は華麗、やまじえびねはミニマルな線、主人公もアプローズはべルギー王室につながる貴族のお嬢様と日本人外交官の子女、ええとやまじえびねは一応普通の女子大生と20年の時の流れを感じずにはいられないのでした。
あと有吉京子の作品はどれもものすごく「女度」が高いと思う、(本質的に)男性のいない世界だけど女っぽい。ちょっと息苦しいくらい。(別な意味で)ハァハァ。