ウルグアイのジャーナリスト・作家(プロフィールには“ガルシア・マルケスと双璧を成す”とあります)が95年に書き下ろした南米的「サッカーのすべて」としかいいようのない本。例外的に★4つです。発行元はみすず書房。
この本、こんなサイトをやっている方に教えていただいたんですが、この方、自分の知りうる限りでもっともサッカー見過ぎな方です。特に「雑記」の4月1日は必見ですよ。
「スタジアム」「イングランドの侵略」「1930年のワールドカップ」「マラドーナ」「テレビの専制」など151の断章形式でどこからも読め、いつまでも読んでいられる本です。今読み返していたら、「ジーコのゴール」は日本での話でした(93年の天皇杯)。
「ロチャのゴール」から引用してみます。69年のペニャロルの選手です。こんなサッカー、本当にある(あった)んでしょうか?
ペドロ・ロチャは芝生を蛇のように滑走した。ボールを追うことが 楽しくて楽しくて、その楽しさを人にも分かち与えた。プレーの悦 楽、ゴールの悦楽を。彼はボールを相手に、したいと思うことは何 でもやってのけ、ボールの方でも彼に信頼を預けきっていた。