2003-06-16 [長年日記]

_ 4152084057バルザックと小さな中国のお針子 ダイ・シージエ ★★★

しばらく積ん読だったのが、読み始めたら電車の中と人待ちの間にさくっと読めてしまった作品。amazonのカスタマーレビューにもあるように、すぐ読めるのに深い、いい作品でした。

作者は、フランス在住の中国人で、映画監督。フランス語で書いた小説は40万部をこえるベストセラーになり、自身の手で映画化。つい先ごろ公開されたのですが、そちらは未見です。

題材は、“自身が体験した”中国文革時代の「下放」。映画監督と下放というと、 4061490087「私の紅衛兵時代―ある映画監督の青春」(チェン・カイコウ/講談社現代新書)が思い出されます。この本で初めて文革の実情、下放ってどういうことだったのかを知りました。こちらは紅衛兵を経て下放されたのに対し、「バルザックと〜」の主人公は親が著名な医者だからという理由でわずか15歳で下放されています。

何でも映画は「ロケはOK、でも上映禁止」でもちろん本も出版禁止だそうです。まぁダメでしょう〜というのはわかりますが、「そうかぁ青春小説ってこういうものか」と目からウロコの素晴らしい内容です。いい意味で裏切られたかも。

_ こんな蕎麦を、食べた

と黒澤明が言ったかどうかは知りませんが、昨夜は永田町 黒澤に行ってきました(仕事がらみのような)。店構えも、黒澤組が内装を担当したという店内も和風。映画のポスターや自筆の絵が飾ってあって、ガイジンのお友だちが喜びそうなお店です。

作務衣を着てヘッドセットマイクをつけた若い店員さんが接客してくれますが、雰囲気はカジュアル。何でもおいしかったのですが、とくに梅酒が(ヲイ)。ぐるなびのメニューには映画のタイトルがついたコース名があって楽しそうだったのですが、予約時に決めて行ったせいかお店にはそういうメニューがなくて、少々残念でした。特別室コースは「隠し砦の三悪人」、だそうですよ。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
_ 佃仙人 (2003-06-17 22:32)

永田町、「黒澤」いいお店です、値段さえ考えないと。蕎麦屋だと思うとびっくりする値段です。

_ 白いヲクサマ (2003-06-18 11:21)

確かにお昼に行ったほうがよさそうです>黒澤。